株式会社みづま工房様 導入事例

生産効率と表現力の両立へ。プロスポーツの熱量を逃さない超短納期を実現した、GOCCOPRO×VOLT活用の舞台裏。

シルクプリント事業のさらなる強化を目指し、デジタルスクリーン製版機「GOCCOPRO」と、全電動自動印刷機「VOLT」を導入された株式会社みづま工房様。
今回は、経営の舵取りを行う信廣取締役をはじめ、新たなセールス手法を確立した営業統括の伊藤部長、デジタルの利便性と職人の勘を融合させたプロダクト現場の宮本部長、そして「表現の極致」を追い求めるクリエイティブ部門の中間部長という、各セクションを牽引する4名の方々にお集まりいただきました。
導入の経緯から、現場での試行錯誤、そして感動をすぐに形にする驚きのスピード感まで、その舞台裏を詳しく伺いました。

取材にご協力いただいた方

(写真左上)取締役 信廣 徹 様 (写真右上)営業統括部長 伊藤 通祐 様 (写真左下)プロダクト部部長 宮本 栄次 様 (写真右下)クリエイティブ部部長 中間 大介 様

(写真左上)取締役 信廣 徹 様
(写真右上)営業統括部長 伊藤 通祐 様
(写真左下)プロダクト部部長 宮本 栄次 様
(写真右下)クリエイティブ部部長 中間 大介 様

生産性の限界を突破し「表現力」という付加価値へ

─── 導入のきっかけや決め手について教えてください。

信廣取締役:きっかけは2022年の夏頃でした。経営計画を見直す中で、かねてからあったシルクスクリーンプリント事業を強化するという方針を立てたんです。当時は職人が手でプリントする『手刷り』の作業がメインでしたが、製作能力に限界を感じていました。受注量を増やし、事業を整理していく上で、自動でできる方法はないかと模索して理想科学さんにたどり着きました。
いろいろ探しましたが、GOCCOPROに魅力を感じた一番のポイントは、やはり『表現力』です。従来の手刷りでは色数も制限され、グラデーションなどの階調表現も非常に難しい部分がありました。それが、シルクスクリーンプリントでありながら多彩な可能性がある。筑波のショールームで初めて担当の方にお会いしたとき、私の不安や作り手の感性を理解した上で説明してくださる内容に非常に共感し、これなら一歩踏み込んでいけるなと確信しました。
現在、GOCCOPRO×VOLTのシステムはプロスポーツ関係の記念Tシャツ制作などでフル稼働しています。試合中に起こったメモリアルなイベントをデザインするのですが、これはニュースとして熱いうちにすぐ作って、すぐお客様に提供しなければなりません。制作期間はわずか1週間。この短いサイクルの中で、VOLTのスピードと精度を活かして展開できているのは、非常に大きなメリットだと感じています

GOCCORPRO QS

シルク印刷の常識を覆し、お客様に「驚き」を届ける

───GOCCOPROやVOLTの導入によって、お客様への提案や反応はどのように変わりましたか?

伊藤部長:以前はプリントといえばイラスト系のものが中心でしたが、このシステムを導入して画質が劇的に変わりました。お客様の反応を見ていると、やはりシルクの特性をわかっている方ほど、『ここまでの表現ができるのか』と驚かれますね。これまでは、写真的な表現をしようと思うと、転写やインクジェットになるのが当たり前でした。そうすると、枚数が増えても金額が下がらない。でも、VOLTを使ったシルク印刷なら『数を作るなら金額的にはお安くなりますよ』という提案ができる。これはお客様にとっても大きなメリットです。
営業チームも、最初は全員が特性を熟知していたわけではありませんでしたが、勉強しながらセールスにあたってきました。最近ようやく、『この表現なら、このコストでこれだけのメリットがありますよ』という具体的な提案ができるようになってきたと感じています。美術館のグッズ提案や、食品メーカーさんのキャンペーンでジャガイモの質感をリアルに再現したTシャツを作った際も、非常に高い評価をいただきました。まさにシルク印刷の常識を覆した商品ですね。

デジタルに宿る「職人の勘」と、現場の絶え間ない挑戦

─── GOCCOPROやVOLT導入後の作業効率の変化と、高いクオリティを実現するためのポイントをお聞かせください。

宮本部長:導入して1年以上経ちますが、製版工程そのものがかなり省かれたので、スピードも速くなりましたし、作業自体は楽になりました。
ただ、これまで手作業でやってきた職人がVOLTを扱うとき、いかに自分の手の感覚を機械に再現してもらうか。そこはかなり苦労しましたね。やはり手作業ができる人間じゃないと、VOLTを使いこなすのは難しい。最後は職人の勘が必要になるんです。
GOCCOPROでの仕上がりについては、1色で出せるグラデーションの幅が劇的に広がりました。2色、3色でもフルカラーのような状態が作れる。その分、見る側も目が肥えてきますし、デザイナー側からも『もっとできるんじゃないか』という要求が毎日出てきます。常に挑戦し続けなければならないのが大変な部分ではありますね。
現場としては、一度VOLTをセッティングしてしまえば、あとは誰でも印刷できるようになりました。1日の生産予測も立ちますし、管理面では非常に楽になった部分です。
理想科学さんは非常に献身的に対応してくれますし、改良版の提案など、一緒に研究しながら精度を上げていけるパートナーだと感じています。

VOLT

Separation StudioとPhotoshopで描く、極限のディテール

─── Separation Studio導入後、デザイン表現において進化した点や、クリエイティブとしてのこだわりをお聞かせください。

中間部長:作業が楽になったことは正直ないです(笑)。僕らクリエイティブとしては、表現力が上がるのが一番ですから。データ制作ではSeparation Studioを使っていますが、基本的にはPhotoshopとの組み合わせが重要になります。顔の辺りをどう表現するか、どこを曖昧にして、どこに強弱をつけるか。平面的な表現よりもはるかにクオリティが上がりました。

特にプロスポーツチームのグッズ制作では、選手の躍動感を出すために、写真のユニフォームのシワをぐっと際立たせるような加工をしています。白いユニフォームはのっぺりしてしまいがちなので、元データの影やハイライトを徹底的に調整して、動きを出す工夫をしています。肌色の表現も非常に難易度が高くて、納得がいかずに3回くらいやり直したこともありました。ピンクっぽい肌色が出ないと分かったので、あえて茶色に近い色を使って指示を出したり。

今は『網点』を自在に操れるのが大きいですね。以前はベタ中心でしたが、網を使うことでグレーの階調を出したり、生地の色を活かした表現ができたり。Separation StudioとGOCCOPROなら、小ロットでももっと面白い提案をしていける可能性があると思っています。ただ、Separation Studio上で網点のプレビューがもっと詳細にできるようになれば、さらに最高なんですけどね(笑)。

高精細な網点表現を活かしたプリント

高精細な網点を活かしたプリント

未来への展望

信廣取締役:理想科学さんに対しては、導入時の説明から現在に至るまで、非常に献身的かつ手厚いサポートをいただいており感謝しています。ただ、現状に満足しているわけではありません。実際に運用を続ける中で、このシステムにはまだ研究の余地、つまりさらなる進化の可能性があると感じています。

今後期待したいのは、最新のAI技術などを活用したさらなる自動化です。例えば、製作過程をカメラなどで監視し、インクの乗り具合や湿度・環境の変化による影響をAIが判断してコントロールしてくれるようなオプション機能。こうした『人工知能による制御』が加われば、VOLTの可能性はもっと広がるはずです。

理想科学さんは、我々ユーザーの声に寄り添い、常に精度を上げるための研究を続けてくれるメーカーだと信頼しています。単なる『機械の売り手と買い手』ではなく、共に新しいものを作り上げていくパートナーとして、今後も二人三脚で歩んでいける存在であってほしいと願っています。

信廣取締役

── 今後もより使いやすいシステムとなるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

TOP