ei-to様 導入事例

淡路島の旧小学校を再生。体験型複合施設「ei-to」のプリント工房を支えるGOCCOPRO。

2017年に閉校した旧江井小学校をリノベーションし、2023年12月にオープンした「ei-to」。元宿直室を活用したプリント工房では、当社のデジタルスクリーン製版機「GOCCOPROシリーズ」をご活用いただいています。
観光客から地元アーティストまで幅広く愛されるものづくりの施設で、GOCCOPROがどのような体験価値を生み出しているのか。自然豊かな淡路島の地にあるei-toさんにお邪魔し、お話を伺いました。 

取材にご協力いただいた方

ei-to 渡邉昌行 様

施設立ち上げの背景とコンセプトについて

大阪の服飾資材商社・増見哲株式会社の創業者である増見哲男氏は、明治から大正にかけて淡路島・江井の町で育ち、旧江井小学校を卒業しました。開業後も故郷に貢献し続けてきた歴史があります。その意志を受け継ぐ3代目・増見喜一朗現社長も地域との絆を深めていたなか、閉校となった江井小学校校舎の競売の知らせが舞い込みます。地元の温かい後押しもあり、2022年に取得が実現。2023年12月に完成したのが「ei-to」です。

施設からは淡路島の美しい海を望むことができます

ビジネスありきで廃校利用を探していたわけではなく、新しい挑戦を模索するなかで長年のご縁が手繰り寄せた出会いでした。競売の話が届いたのはコロナ禍の真っ只中。誰もが将来に不安を抱く状況下で、喜一朗氏は「会社としての次の一手」を模索していました。
単なる事業拡大ではなく、地方再生や限界集落の復活といった社会貢献を軸に置き、自社のブランディングを再構築していく。その決意のもと、ei-toのプロジェクトはスタートしました。

施設内には、廃材で終わるのではなく、新たな息吹を吹き込まれた製品やアートがたくさんあります

───コンセプトについてお聞かせください。

本当に良いものとは何か。それは・・・
伝統的技術で手間ひまかけて作られたもの
古くから人々に愛され、歴史を経てなお今も残るもの
工夫に満ち使う人を心地よくさせるもの
自分の手で作った愛着の湧くもの
捨てないで生かす、ゴミを出さずに作る、輸送エネルギーをかけずこの場所で作る
などなど・・・。
多角的な視点から「良いものを手にする幸せ」を共有する場として、それらを「知る」「体験する」ことでこれからの未来に向けて選ぶべきものとは何かを問いかける、ファッションとライフスタイルの未来に向けた体験型複合施設、それが“ei-to”です。

───施設内はどんな空間になっているのでしょうか。

1階は天井の高さを活かした、まるで美術館のような開放的な空間が広がっています。「再生」をテーマに、かつての教室がそれぞれ新しい役割へと生まれ変わりました。


旧職員室: 高品質な製品を紹介する「ギャラリー&ショップ」
旧宿直室: 世代を問わずTシャツ作りが楽しめる「プリント工房」
旧手洗い場: 伝統的な技法を体験できる「本格藍染め部屋」
旧保健室: 自社製品を製造する「縫製工房」
旧家庭科室: 老舗の名店バリスタが淹れる「コーヒーショップ」

2階・3階も教室の佇まいをそのまま生かし、「ワークショップルーム」「古着屋」「ギャラリー」「図書館」「フォトスタジオ」として活用。建物全体で新しい魅力を発信しています。

元は宿直室だった「プリント工房」。広々とした空間で、創作意欲が沸きます!

───「ei-to」というお名前の由来や、ロゴマークのデザインに込められた意味についてお聞かせください。

「ei-to」とは「江井と共に」の「江井と・・」であり、廃校の利活用を通じて、地方創生のモデルケースをファッションの分野で形にするのが目的だが、それを地元の風土や産業や伝統文化とも調和しながら行っていきたいという思いを名前にしています。

入口にかわいいネオンサインの「ei-to」を発見!

ei-toのロゴマークデザインは、ここ旧江井小学校の校章を元にしてできています。その中にeito の4つの文字を組み込み、サーキュラー(循環)をイメージした矢印→で囲みました。誰からも愛される笑顔のビジュアルと、偶然にも船の⚓️碇いかりにも見え、漁港でもある江井の町にも通じるものになりました。エイトは数字の八でもあって、八は日本では昔から末広がりの縁起ものとして誰もが知るところです。
ここがやがて、人々にとって、地球にとって、豊かさと希望を取り戻すきっかけになると信じています。楽しく明るい未来へ繋ぐ形を、私たちと、みなさんと、そして江井と=ei-to、ともに作りたいと考えています。

プリントファクトリーの役割と、施設を利用される方について

───様々なものづくりを発信される中で、施設内に「シルクスクリーンプリントのファクトリー」を設けようと思われた理由についてお聞かせください。

ei-toを立ち上げる数年前から、私、渡邉がSURIMACCAで保護犬救済のためのプリントTシャツを作りイベントやネットで販売していた経験から、私が導入を提案しました。ファッションアイテムの中で最も身近で、手軽にオリジナルが作れて、性別も年齢も国境も越えて楽しめるもの、それがプリントTシャツ作りだと思ったからです。図工感覚が学校という場所にフィットすると感じましたし、お客様の体験も私たちの商品作りも両方できる手軽さがとても魅力的に感じました。

─── 普段はどのような方が利用されているのか、また、具体的にどのような印刷体験が行われているかお聞かせください。

主には兵庫県内、大阪、四国などの関西圏から観光客のお客様で、大学生、20代のカップルなど若い世代と、小学生以下のお子様連れのご家族が9割程度を占めます。淡路島内の自営業やアーティストのお客様が1割となっています。学生時代以来久しぶりに絵を描くといったような、シルクスクリーンプリントという初めての体験を目的としたお客様も多いです。私たちが考案したei-toオリジナルデザインの版を選んでプリントするプランと、お客様ご自身の絵でオリジナルの版を作りプリントしていただくプランの2種類があります。

この日も、ご家族や、カップルでTシャツ作りを体験されている方がいらっしゃいました

─── 実際に体験されたお客様の反応や、印象に残っているエピソードなどがあればお聞かせください。

ご自身の描いた絵が製版された瞬間、プリントが刷り上がる瞬間は、ほとんどの方が歓声を上げて喜びます。得て不得手はあると思いますが、基本的にはみなさん作るのが好きなのだなと感じる瞬間です。予約なしの飛び込みのお客様で、ei-toに着いてから体験の存在を知り体験することになった方は、今着ているボトムスにプリントする為パンツ一丁で体験をする方がいました。また、娘さんが小学2年生の時に描いた10年前のイラストを持ち歩いているお父さんが来店し、Tシャツをつくれてとても満足そうでした。後日また来店され、同じデザインをホイールカバーにプリントしました。

▼体験の様子を撮影させていただきました!

今回は手描きの原稿で版を作ります。製版する前に、薄いところがないか、などチェックします。

原稿ができたら、パソコンに取り込み、デジタルスクリーン製版機GOCCOPRO100で製版します。

あっという間に製版完了!

SURIMACCAで枠張りします。

迷いながら、インクの色を決めて・・・

スキージの練習も忘れずに!

みんなで協力しながら、いざ印刷!!果たして仕上がりは・・・?

お見事!かわいいTシャツができました!

デジタルスクリーン製版機「GOCCOPRO」の使用感について

───工房では当社のデジタルスクリーン製版機「GOCCOPRO」をお使いいただいていますが、日々の運用やワークショップの中で、特にメリット(スピードや扱いやすさなど)を感じられている点があれば教えてください。

4~5人組のお客様をスタッフ1人で対応する時もある為、お客様をお待たせしないスピード感は大変助かっています。その日のうちにつくって持ち帰っていただけるのは旅の体験としてとても良いと思います。初心者のスタッフにも扱いやすい仕様で、教える側にもメリットがあります。

───「薬品や水を使わない」「暗室が不要」といったデジタルの特徴は、環境やサステナブルを大切にされるei-to様の施設運営やコンセプトにおいて、プラスになっていると感じられますか?

挙げて頂いた点はもちろん、ei-toのコンセプトと合致しておりますが、お客様側からの視点としてはあまりその部分は意識されてない感じはします。(そもそもシルクスクリーンを知らないからか…)
環境配慮やサスティナブルはもはや特筆すべき時は過ぎていると感じており、現在は自分の手で作れる、愛着を持って使い続ける、といったモノのストーリーの観点を大切に謳っていきたいと考えています。
シルクスクリーンプリント自体を知らないお客様がまだまだ多く、シルクのことを広く知ってもらう何かしらの機会があれば、GOCCOPROのシステムが、従来のシルクスクリーン製版と違うということをしっかりとアピールしていかなければならない重要なポイントだと感じます。

今後の展望について

───今後、こちらの施設やGOCCOPROを活用して挑戦してみたいイベントや、取り組んでみたいプリントのアイデアなどがあればお聞かせください。

ei-toはファッションの複合施設であり、服のリメイクイベントなども控えています。(2026年9月26日開催予定)服づくり、ファッションの楽しさを伝えられるようなものをつくりたいです。
GOCCOPROを活用した、プリントの可能性を広げるようなアーティストさんのインスタレーションや、アートイベントなどにまで広げることができれば面白いと思っています。

施設内のショップでは、GOCCOPRO版でプリントした、1点モノのプリントTシャツを購入することができます。

───「ei-to」という場所が、これからの淡路島や江井の町において、どのような存在になっていってほしいか、未来への展望をお聞かせください。

ei-toが単なる商業目的の施設ではなく、モノづくりの楽しさを味わえたり、楽しさを共有していく『拠点』として存在していきたいと考えます。
淡路島で営業している飲食店、サービス業、活動しているアーティストさんにもっともっと活用していただき淡路島も盛り上げていきたい。
淡路島外のみなさんも、この自然豊かな環境でリトリートも兼ねた体験ができ、心身共に幸福感を得られる場所になりたいと思っています。
限界集落と呼ばれるこの地区の復活も、ei-toが中心となり実現できることも夢見ています。

── この度は取材にご協力いただき、貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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